ミャンマー違法貿易が正規貿易の2倍

密輸に政府も打つ手なし

ミャンマー政府は、あらゆる手立てを尽くして違法貿易を撲滅しようとしていますが、どれも十分ではなく、違法貿易量は以前よりも増えているといいます。 税金を逃れるため、輸入が規制されている製品を輸入するために、食品、アルコール、電化製品など、あらゆる品物を密輸する業者が国境近くで逮捕され、商品が差し押さえられていますが、あまりに件数が多すぎて全ての業者を駆逐することはできません。 輸入税逃れが横行しているため、ミャンマー経済成長の足かせになっています。一例をあげると、国内で製造されるビールには40%の酒税がかかっていますが、密輸業者は税金を全く払っていないため、国内製造のビールよりも安く販売し利益を得ています。こういった密輸品が横行しているため、政府が本来得られるはずの税収が圧迫されています。

国外からの違法ルート

ほとんどの密輸自動車はタイからのルートを通り密輸されています。その他にも、中国からミャンマーのシャン州北部を通るルートでは、ビールやスナックが違法輸出され、中国からは生地や電化製品が違法輸入されるなど、非常に多くの密輸ルートがあります。 国外からミャンマーへの違法輸入だけでなく、ミャンマーの南シャン州や東シャン州から中国へ周辺諸国のへの違法輸出もあります。木材、家畜、鉱石、宝石などが違法に輸出されています。

税関の人手不足により悪化

国境付近の税関職員不足や警備の手薄さにより、ミャンマーへ蜜輸入される自動車のうち、25%しか課税ができていないのが現状です。つまり、本来得られるはずの税収の1/4しか徴収できていないことになります。 ミャンマー商務省は、省内の一つの部署に密輸品の検閲と差し押さえ権限を与えていますが、他の部署からの協力やつながりが手薄なため、上手く機能してはいません。他の部署は自分の業務を遂行することだけに注力しており、これでは長期的に密輸を駆逐していくことはできません。 密輸を摘発できる機能を整えるだけでなく、密輸品を売る側にも規制をかけられるような法律を整備し、省庁の各機関がそれに従うことで、国全体として対策を講じることが、ミャンマー経済を押し上げることにも繋がります。 出典:https://www.mmtimes.com/news/illegal-trade-more-rampant-govt-measures-not-effective.html